設備のご案内
当クリニックで使用している透析装置
当クリニックでは、最大55床の透析が可能となっております。透析装置は全て東レ社製を使用しており、多人数用透析装置の他にも、5台の個人用透析装置も備えております。これにより、低Ca透析やアセテートフリーバイオフィルトレーション(AFBF)といった処方透析も可能となっております。さらにHDF治療も積極的に行っており、現在、Off-Line HDFが可能な最新の透析装置も4台導入しております。さらに全台にオートプライミング機能を搭載しており、順次稼働しております。
患者様個々の症状に対して最適な透析治療を行っていく為、医師、看護師、臨床工学技士が最適な治療方法を構築しながら、使用する装置についても考えております。

※アセテートフリーバイオフィルトレーション(AFB)とは、酢酸(アセテート)などの緩衝剤を全く含まない透析液を使用しつつ、重曹溶液を置換液として行う治療です。酢酸は心機能抑制作用や末梢血管拡張作用がある為、一部の患者様では透析中の血圧低下といった症状を伴います。それら症状の是正や代謝性アシドーシスを十分に是正することで、透析中の循環動態安定を図る治療法です。




東レ社製 TR-7700S・M
通常のHD治療に加え、Off-Line HDF治療が可能な透析装置です。
現在、個人用透析装置1台、多人数用透析装置3台、計4台導入しております。


東レ社製 TR-3000S・M
HD治療が可能な透析装置。TR-7700以外は全てこの機種を導入しております。個人用透析装置は4台導入しており、種々の処方透析を行っております。個人用透析装置は全台、多人数用透析装置一部に、Na注入ポンプを装置しており、高Na透析が可能となっております。
さらに、個人用透析装置は全台AFBF対応となっており、患者様に合わせた治療が可能となっております。



当クリニックにおける水質管理
透析液清浄化度を測定するため、我々は定期的に透析液の採液を行い、清浄化に努めております。
当クリニックでは、採液を行う環境は勿論のこと、実際に測定を行う環境も重要であると考え、外部と隔離した水質管理室を設け、水質管理室で透析液の検査、培養を行っております。




水質管理室内部の様子

 エンドトキシン測定装置、細菌培養用恒温庫、測定用具殺菌庫、データ収集用PC等、測定に必要なあらゆる物品を整理、集約し、定期的な透析液清浄度測定を行っています。


エンドトキシン測定装置

 最大12検体までの同時測定ができ、1検体あたり約30分でエンドトキシン値の測定が可能となっています。測定結果はリアルタイムでPC上に表示され、全測定終了後、結果が自動保存されます。

※エンドトキシンとは・・・
  グラム陰性桿菌の細胞壁外膜の表層を構成している成分で水の中の細菌が出した毒素のことです。
 エンドトキシンは、発熱、敗血症やショックを引き起こす有害な生物活性物質で、DIC(播種性血管内凝固症侯群)の誘因の一つであると考えられています。そのためエンドトキシン濃度は、透析液の細菌汚染の要因の一つとして測定されます。




恒温庫
 生菌培養を行うための培地を一定の温度管理下で培養するために用いています。1週間培養を行い、生菌数を測定、その後、さらに1週間様子を見て確認することとしています。


採液風景
 採液の際は必ずマスク、手袋を着用。場合によっては帽子を被るなど、出来る限り落下細菌等が影響しないよう努めています。
 また、採液する前に手指をアルコール消毒、さらにサンプリングポート部もアルコールで念入りに消毒を行い、出来る限り無菌状態に近づけてから採液を行っています。

通 信 ~人工透析管理システム(Miracle DIMCS21)を使用~
『透析管理システム』
安全で快適な透析治療を行う目的で透析管理システム(MiracleDIMCS21)を導入しました。また、患者情報・治療情報・検査データを一元管理し、質の高い透析医療を提供する為に、電子カルテ(m-KARTE)や画像ファイリングシステム(I-PACS EX)とオンライン化させフル連携も行いました。

●動設電子カルテや透析関連機器との連携が可能

●体重計との連動により透析装置画面での各種透析条件の設定が可能
● RO装置、透析液供給装置のモニタリングが可能





HD02を用いたバスキュラーアクセス管理も積極 的に行っておりま
HD02を使用した定期検査を実施することに よって、バスキュラーアクセストラブルを未然に 防ぎ、患者様がより良い透析を行えるように努め ております。 この機器での測定項目は以下の通りです
1実血流量を連続的測定
2バスキュラーアクセス状態のモニタリングと

透析効率の維持管理(シャント流量の測定な

らびに再循環率の測定)
3心拍出量の測定
当クリニックでは、透析患者様のPTA前後 でHD02を使用したシャント流量を測定し、 バスキュラーアクセストラブルを早期発見し、 早期治療ができるように努めています。


CL-Gapによる評価


毎月1回、前半の定期採血時にCL-Gapを用い て全透析患者様の透析効率を評価しています。 身体からの尿素クリアランス(有効クリアラン ス;eCL)とクリアランス理論値:tCLの乖離度 を算出して、現在の透析条件で効率よく透析が行 われているかを評価し、HD02と合わせて、バス キュラーアクセストラブルを未然に防ぎ、患者様 がより良い透析を行えるように努めております。